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親から花の生産農家を継いで早40年…どうやら私の代で終わりのようだ…
花が売れず、広大だった畑も今や雑草が伸び放題。もう潮時か…
「最後に一つやりたい花があるんだ。いいかな?」
これまで農業に興味を示さなかった息子が突然そう言い出した。何をやりたいんだ?
「ドライブラワーさ」
ドライフラワーなら聞いた事ある。何だそれ?
「車みたく乗って走れる花の事さ。ガソリンの代わりに蜂蜜で動くんだ」
面白そうだな。やってみるといい。

息子の行動は早かった。広大な畑を綺麗に整地するとサーキット場風に仕上げた。
その脇で育てるは大きな植物。
蔓が骨格を形成し、葉っぱがドアを作り上げる。枝がハンドルやブレーキを作り、根っこがタイヤへと形を変えていく。
花が咲く頃には子供用の小型の車となっていた。
「俺さ、これで子供達に交通安全と花の素晴らしさを教えたいんだ。ダメかな?」
私は息子に農家を継がせる決意をした。
公開:21/02/17 20:28

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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