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僕の彼女はよく食べる。
間食が多いわけではない。
ただ夜ご飯だけ、尋常じゃない量を食べるのだ。
お互いに自宅の最寄りの駅が遠いから、デートはいつも夜ご飯のあと解散という流れだ。
ただ、僕の彼女はどんなお店に行ってもかなりたくさん食べるのである。
美味しそうにもぐもぐと料理を平らげて、さらに違う料理を注文してはそれもぺろりと食べ切ってしまう。
この細い身体のどこにこれらの料理が入っていくのだろうなどと考えながら僕はそれをいつも眺めているのだ。
……いつしか年月が経ち、僕らは結婚して、一緒に住むようになった。
すると途端に彼女の食欲は鳴りをひそめ、彼女がたくさん食べる事は無くなった。
ふとした拍子にそれが気になって、どうしてたくさん食べなくなったのかをたずねてみた。
「だって、同じ家に住んでるんだからお別れを気にすること無いでしょ…」
妻が恥ずかしそうに笑って言った。
間食が多いわけではない。
ただ夜ご飯だけ、尋常じゃない量を食べるのだ。
お互いに自宅の最寄りの駅が遠いから、デートはいつも夜ご飯のあと解散という流れだ。
ただ、僕の彼女はどんなお店に行ってもかなりたくさん食べるのである。
美味しそうにもぐもぐと料理を平らげて、さらに違う料理を注文してはそれもぺろりと食べ切ってしまう。
この細い身体のどこにこれらの料理が入っていくのだろうなどと考えながら僕はそれをいつも眺めているのだ。
……いつしか年月が経ち、僕らは結婚して、一緒に住むようになった。
すると途端に彼女の食欲は鳴りをひそめ、彼女がたくさん食べる事は無くなった。
ふとした拍子にそれが気になって、どうしてたくさん食べなくなったのかをたずねてみた。
「だって、同じ家に住んでるんだからお別れを気にすること無いでしょ…」
妻が恥ずかしそうに笑って言った。
青春
公開:21/02/16 00:37
葉智 樹壱(はち きいち)と言います。
よろしくお願いします。
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