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母が少年を叱りつけた。
「こら! 家の中でサッカーをするんじゃありません!」
少年は弁解する。
「違うよ、僕じゃないよ。ボールが勝手に足に……」
「そんな嘘が通用するわけないでしょ!」
十五年後。
テレビの向こう側で、スターになった少年が、人間を超越した技巧派ドリブルで、相手選手を鮮やかに抜き去っていた。
それを見ながら母が呟く。
「まるでボールの方が足に吸い付いているみたい…………はっ!」
あのときあの子は、嘘をついていなかったのかもしれない。
「こら! 家の中でサッカーをするんじゃありません!」
少年は弁解する。
「違うよ、僕じゃないよ。ボールが勝手に足に……」
「そんな嘘が通用するわけないでしょ!」
十五年後。
テレビの向こう側で、スターになった少年が、人間を超越した技巧派ドリブルで、相手選手を鮮やかに抜き去っていた。
それを見ながら母が呟く。
「まるでボールの方が足に吸い付いているみたい…………はっ!」
あのときあの子は、嘘をついていなかったのかもしれない。
その他
公開:21/02/13 15:45
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