すごい人にインタビューをしてしまったビジネス誌の記者

「はじめまして。経日ビジネスの工藤です」
「僕は忙しい。手短かに頼むよ」
「…はい。AIを用いた最新のマーケットデザインについてタオカさんはどうお考えですか？」
「フム…。僕は以前グーグルに勤めていたことがあるんだが、頭のいい人はそういう質問をしないね」
「え？」
タオカはIT用語事典を開いて「AI」を調べる。
「つまり、何が言いたいかというと…キミの質問はそもそも質問の形になっていないということだ」
「は、はい？」
「キミは自分が本当に聞きたいことを自分の頭でよく整理しないまま…僕へ丸投げしていないかな？」
「そ、そう言われると…」
「キミの質問には答える価値がないよ」
「うっ、で、では、ええと…理想的なプラットフォームは、利用者が最適な行動を取るインセンティブを与えるようにデザインされたものでしょうか？」
「答えは…」
ゆっくりと事典を閉じた。
「イエスだ」
「ありがとうございます！」