クリスタライザー

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食洗機用の洗剤を買ったつもりが、別のものが届いた。

ダンボールを開けると、いささか仰々しい装いの黒箱。何を頼んだかと不審に思いながら開き、私は変な声を上げた。

スケルトンだ。スケルトンの。

要するに透明な頭蓋骨のクリスタルだったわけだが、もちろん頼んだ覚えはない。食器の汚れを落とすのに、オーパーツは必要ないからだ。

Amazonの注文履歴を確認する。配達完了とあるが、商品には間違いなく洗剤が選ばれている。

電話連絡しようかと思ったが、簡単には繋がらないだろう。私は何気なくクリスタルを手に取り、透き通る眼窩を眺めてみた。

パチン、と頭の中で何かが弾けるような感覚が走り、私は思わず手を離した。

クリスタルは落下し、床の上で粉々に砕け散った。

これまで曖昧だった物語の影が、はっきりと形を取り、ひとつのストーリーとして繋がる。

急ぎ机に向かった。
キーボードを叩く指が止まらない。
ミステリー・推理
公開:21/02/14 19:00
更新:21/02/14 17:44

レオニード貴海( 某海なし県 )

さまようアラフォー主夫

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