母の日

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母の日に花を送ろう。
今持つお金では買えないと思い、一週間前からより多く家の手伝いもした。
当日、スーパーに行ってみると、一番安くて一輪、百五十円、後五十円足りない。
焦る私は百円を握り走って帰り、父に頼み込んで五十円を借りた。
靴を履くと、母が何故また外に行くのかと尋ねてきた。言えば全てが台無しだ。黙る私に母はしつこく尋ねた。
私は思い余って、「うるさいな、お母さんには関係ないよ」と家を出た。謝りたくて、花を送りたくて、その気持ちだけで走り続けた。
無事に花を手に入れて直ぐに家に帰ったが、家に母の姿は無かった。
買い出しに出ただけだと兄が言ってくれたが、私は悲しくなり菊の花を握りしめた。

暫くして帰ってきた母に草臥れた花を差し出すと、母は笑いだした。
「アンタ、これ菊じゃないの」
キョトンとする私に母はそう言うと、花を手に取り両腕で私を抱き締めた。
その他
公開:21/02/13 22:43
更新:22/04/18 23:19
小さなスーパーに花屋はない 法事用なんて、知らないよ…

Hiro.K( 日本 )

あまり文章を書くのが得意ではないのですが、出来る限り投稿していきたいと思っています。
よろしくお願いします。

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