ガリザニの食卓

今日もガリザニの食事の時間がやってきた。
頭や骨を噛み切る音、噛み砕く音が鳴り響く。

ガリッガリッ、ザニッザニッ、

ガリザニたちの食欲は旺盛だ。
ガリザニは地球の捕食者の頂点に立つ王者だ。

ザリッザリッ、ガニッガニッ、

王の目がキラッと光った。我が子の一匹を見据えて叱った。
「違う違う。こうするんだ」

ガリッガリッ、ザニッザニッ、

しかし子供には王者のような音は出せない。

「お前はわしの息子にはふさわしくない。追放だ！」

子供はガリザニ族から追放された。
しかし、同じ音を立てる仲間がいた。
彼らの繁殖力は強く、数年後にはガリザニ族と戦えるまでになった。
蜂起したザリガニ族はガリザニ族を圧倒し、ガリザニ族は食べ尽くされて滅んだ。ザリガニ族が捕食者の頂点を奪ったのだ。

一方、被捕食者たちの生活はほとんど変わらなかった。

地球は人類滅亡後も、何事もなく太陽の周りを回っていた。