Ⅱ-13."死"すら逃げ出す酒呑み

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「ほらほら!お前も遠慮せずにやれぇ!」
「最高っすね先輩!」
「ちょ、兄貴!何に酒飲ませてんすか!」
 精霊種は種族全体を通して酒好きである。
 特に石霊種(ドワーフ)はその筆頭であり、"酔う"ことこそが命への賛辞であるとまでのたまっている。
 しかし、酒に対する尊びと飲み方が必ずしも合致することはなく、何にでも"例外"はあるものである。
 あろうことか"死"の口に、酒を流し込む彼はその象徴とも言える男であり、理由を付けては身内を酒席に誘い、からみ酒に付き合い倒すことで有名だった。しかし、それを抜けばよき人物であることから、慕う者がなくなる事はない。
 そんな彼にとっては、命の悪あがきを銘打ったハロウィンは、絶交の酒盛りの口実でしかなかった。本来の指針を忘れた者が増え続けているハロウィンであるが、"死"に対して命の賛辞と言われる代物を薦める彼の行動は、あながち的外れでもないようにも見えた。
ファンタジー
公開:21/04/18 14:40
連作 ファンタジー ドワーフ ハロウィン

Arujino( 東京都練馬区 )

まずは、こんにちは。

練馬区で活動中の、趣味の絵描きです。

小説・脚本なども執筆してます。

【番号なし】 用語・設定解説

【Ⅰ】 連載作品『WonDer BroS』 探偵と怪盗の対決が娯楽化した世界での物語。

【Ⅱ】 短編連作『Story Of Dri(P)Party』

【Ⅲ】 連載作品『根源悪の牧場』 戦争による差別と弾圧に支配された世界での物語。

【Ⅳ】 連載作品『ドライワンダーに遣う』

【001~】 短篇集『short TaleS』
 

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