だから言ったのに

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僕のご先祖様は子供の頃、茶色の牛の乳を搾ると珈琲牛乳が出ると思い込んでいたらしい。
それを周りにバカにされ、一念発起したご先祖様は本当に珈琲牛乳が搾り取れる牛を作り出そうとした。
珈琲豆を混ぜた餌を牛に与え、その乳の味を徐々に珈琲牛乳へと変えていく。
そしてついに3代目の時代にその牛は誕生した。珈琲牛乳が搾り取れる、茶色の乳牛だ。
それ以降、ウチは特殊な乳牛を作り出す事に特化した酪農家となった。
5代目の時代には苺牛乳が搾り取れる苺柄の乳牛が誕生した。
8代目の時代にはバナナ牛乳が搾り取れるバナナ柄の乳牛が誕生した。
10代目はフルーツ牛乳が搾り取れるフルーツ柄の乳牛を作り出した。
そんな中、僕の娘はハート柄の乳牛を作り出した。何でも初恋の味のする牛乳らしい。
期待して飲んでみると、それはほろ苦かった…
「だから言ったのに…初恋って甘酸っぱいだけじゃないんだよ」
言葉と味が僕の心に沁みた。
公開:21/04/19 20:55

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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