Ⅲ.弐章 参ト弐 2/3

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「ここにいたか!」
 庭園に、スパイスを引き連れた所長が入ってくる。
「所長?」
 さんきゅうには構わず、弐っちゃんに詰め寄る
「何を勝手に出歩いている。余計な仕事を増やすな」
「あ。ごめんなさい」
「所長。そんな厳しく言う必要は…」
 止めに入るさんきゅう。
「何ださんきゅう。こいつの肩を持つのか?なら丁度いい。奉仕作業の指導役を探していたところだ。貴様が教えてやれ」
「僕がですか?」
「不満があるのか?」
「いえ。分かりました」
 そこに、看守がやって来る。
「所長。すいません。どこを探しても見つか…」
「ここをまず探すべきだったな。貴様が職務を怠ったせいで、私まで時間を取られる羽目になった」
「も、申し訳ありません!」
「もういい。二人を作業棟に連れていけ。今度は決して目を離すなよ」
「は、はい」
「行こうか。弐っちゃん」
「はい。さんきゅうさん」
 看守の連れられ、庭園を出る二人。
SF
公開:21/04/17 08:17
連載 SF 戦争 差別

Arujino( 東京都練馬区 )

まずは、こんにちは。

練馬区で活動中の、趣味の絵描きです。

小説・脚本なども執筆してます。

【番号なし】 用語・設定解説

【Ⅰ】 連載作品『WonDer BroS』 探偵と怪盗の対決が娯楽化した世界での物語。

【Ⅱ】 短編連作『Story Of Dri(P)Party』

【Ⅲ】 連載作品『根源悪の牧場』 戦争による差別と弾圧に支配された世界での物語。

【Ⅳ】 連載作品『ドライワンダーに遣う』

【001~】 短篇集『short TaleS』
 

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