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見回りを済ませた我々は、御宝の前にいた。
黄石の蜂。
もうすぐ蒼猫がこれに手を伸ばす。
開演5分前。
「裏口は使わないと?」
「地味だからな」
断言する主人。
怪盗のシノギには流儀があり、蒼猫は派手なかっさらいだ。
「審門を通って、警報をふりまきながら逃げるってのか?」
御宝にも当然タグがついており、警報はそれからも発せられる。
「目立つはするな」
言いながらも主人は引っかかっているようだった。もし、蒼猫の狙いが主人の想像通りなら、それは邪魔になる。
「タグを外すには?」
「専用の鍵が必要だが、怪盗なら簡単に外せるだろうな」
「…行こう」
主人は足早にそこを離れた。
「おい。もうすぐだぞ」
「ここじゃない」
メインホールに出た主人は、下階に降りる。
その時だった。
「あれ?」
関係者入口の警備が漏らしたこの一言。
それが、主人とわたしの盗縛劇開演の合図となった。
黄石の蜂。
もうすぐ蒼猫がこれに手を伸ばす。
開演5分前。
「裏口は使わないと?」
「地味だからな」
断言する主人。
怪盗のシノギには流儀があり、蒼猫は派手なかっさらいだ。
「審門を通って、警報をふりまきながら逃げるってのか?」
御宝にも当然タグがついており、警報はそれからも発せられる。
「目立つはするな」
言いながらも主人は引っかかっているようだった。もし、蒼猫の狙いが主人の想像通りなら、それは邪魔になる。
「タグを外すには?」
「専用の鍵が必要だが、怪盗なら簡単に外せるだろうな」
「…行こう」
主人は足早にそこを離れた。
「おい。もうすぐだぞ」
「ここじゃない」
メインホールに出た主人は、下階に降りる。
その時だった。
「あれ?」
関係者入口の警備が漏らしたこの一言。
それが、主人とわたしの盗縛劇開演の合図となった。
ファンタジー
公開:21/04/16 21:31
連載
怪盗
探偵
犬
まずは、こんにちは。
練馬区で活動中の、趣味の絵描きです。
小説・脚本なども執筆してます。
【番号なし】 用語・設定解説
【Ⅰ】 連載作品『WonDer BroS』 探偵と怪盗の対決が娯楽化した世界での物語。
【Ⅱ】 短編連作『Story Of Dri(P)Party』
【Ⅲ】 連載作品『根源悪の牧場』 戦争による差別と弾圧に支配された世界での物語。
【Ⅳ】 連載作品『ドライワンダーに遣う』
【001~】 短篇集『short TaleS』
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