Ⅰ.047 ペルビエの攻防~対称~

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 リナーラ美術館は、一応王立という事もあり、左右対称の均整の取れた様式など、王家を象徴するこだわりが随所にある。経費や効率面でも優れ、それが双方度外視な貴族様式への批判にも繋がっている。
 上、中、下階の三階層に分かれ、吹き抜けのメインホールを中心に東西に展示エリアが広がっている。
「二階からか?」
 デニさんが提案したのは、御宝があるエリアだ。
「最後にするよ」
 と、一階の展示場と関係者エリアから始めた。展示品や来館者、非常ドアの確認と配備された警備への挨拶回りを行っていく。わたしも嗅覚を用いてそれを補助した。
「どう見る?」
 その最中にデニさんが尋ねてきた。
「おそらく仕込みは済まされてるね」
「だろうな。入り込める穴はいくらでもある。非常ドアはどうだ?下階に警備をおけば退路を断てる」
「あいつはそんな地味な手は使わないさ」
 おっと、主人。
 今のは、私情に片寄り過ぎだぞ。
ファンタジー
公開:21/04/16 21:11
連載 怪盗 探偵

Arujino( 東京都練馬区 )

まずは、こんにちは。

練馬区で活動中の、趣味の絵描きです。

小説・脚本なども執筆してます。

【番号なし】 用語・設定解説

【Ⅰ】 連載作品『WonDer BroS』 探偵と怪盗の対決が娯楽化した世界での物語。

【Ⅱ】 短編連作『Story Of Dri(P)Party』

【Ⅲ】 連載作品『根源悪の牧場』 戦争による差別と弾圧に支配された世界での物語。

【Ⅳ】 連載作品『ドライワンダーに遣う』

【001~】 短篇集『short TaleS』
 

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