Ⅰ.046 ペルビエの攻防~審門~

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 盗縛劇は、唯一無礼講が許された大衆娯楽であるが、その全てが熱狂を巻き起こす訳ではない。新米探偵のデビュー戦に対しては、美術館も大衆もご覧の反応である。
 外には記者とおぼしき気配が見受けられたが、目当ては我々でなく、謎多き貴族お抱えの怪盗の方だろう。事実、取材を申し込んできたのは、新米記者のトトだけだった。
「これも確認した?」
 主人は、入り口入ってすぐに並ぶ審門を示した。
 金属製品や、展示品に付いたタグに反応する防犯システムだ。
「チェックは済ませた。さすがに警報は鳴らせん」
 聞いた後、主人とわたしは審門をくぐった。
「問題ありません」
 狐亜種の警備員が告げた。
「丸腰で来たのか?」
「俺と相棒で充分」
「わん」
「ところで、ライド。リトリスのピザは旨かったよ。おススメだけのことはあるな」
「あそこのオススメはパスタですよ」
「そうだった。ありがとう」
 彼は本物のようだ。
ファンタジー
公開:21/04/16 20:53
連載 ファンタジー 怪盗 探偵

Arujino( 東京都練馬区 )

まずは、こんにちは。

練馬区で活動中の、趣味の絵描きです。

小説・脚本なども執筆してます。

【番号なし】 用語・設定解説

【Ⅰ】 連載作品『WonDer BroS』 探偵と怪盗の対決が娯楽化した世界での物語。

【Ⅱ】 短編連作『Story Of Dri(P)Party』

【Ⅲ】 連載作品『根源悪の牧場』 戦争による差別と弾圧に支配された世界での物語。

【Ⅳ】 連載作品『ドライワンダーに遣う』

【001~】 短篇集『short TaleS』
 

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