2
3
青くなってしりごんで逃げて隠れてどうにか故郷までたどり着いた。それなのに、ふと振り返れば、四つ脚のロボット兵器が俺に銃口を向けていた。いつから俺をつけていたのか。まるで気配を感じることはできなかった。俺の出方を伺っているのか、四つ脚はじっとしたまま動かない。俺がライフルを構えようものなら、不審な動きを察知して弾丸を発射させるだろう。俺のように逃亡する可能性のある兵士を育てるより、おまえのようなロボットを組み立てるほうが遥かに手間がない。もうおまえたちだけが駒になれば十分じゃないか。血が流れなければ満足できないか。涙と鼻水で顔をぐしゃぐしゃにして失禁までしたところで、おまえは俺を撃ち抜くことに何のためらいもないのだろう。死を覚悟して膝をつく。深く息を吐けば、そいつはペットボトルが置かれたベンチのように見えないでもない。しかし、ペットボトルが置かれたベンチ型の兵器であることも否定はできない。
SF
公開:21/04/18 12:22
更新:21/04/18 15:24
更新:21/04/18 15:24
作文とロックンロールが好きです。
https://twitter.com/9en_T
ログインするとコメントを投稿できます