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「あなた相当お疲れですね? 私分かります。少しだけお話を聞いてはくれませんか?」
とある路地裏で如何にも怪しい露天商にそう声をかけられた。怪しいとは分かってはいるが、飛び込み営業で顧客に無視を決め込まれる辛さを知っていた俺はつい足を止めてしまった。
「これです。これ」と露天商はアラジンに出てくる魔法のランプの様な物を取り出した。
「もし自分が2人いたら……なんて思った事ありませんか?」
「まぁ……はい」
「これはね、摩るだけで煙がブワーっと現れて自分の分身が出来るのですよ。自分が2人いたら便利でしょ? 分身に働かせたら遊んで暮らせるよ。でも、3人目は出ないからね」
なんとも抽象的な露天商の営業トークであったが、この人も困っているのだろうと、つい購入してしまった。
信じてはいなかったが路地裏の片隅で静かにランプを摩ってみた。何も出ない。
やはり騙されたか……。
とある路地裏で如何にも怪しい露天商にそう声をかけられた。怪しいとは分かってはいるが、飛び込み営業で顧客に無視を決め込まれる辛さを知っていた俺はつい足を止めてしまった。
「これです。これ」と露天商はアラジンに出てくる魔法のランプの様な物を取り出した。
「もし自分が2人いたら……なんて思った事ありませんか?」
「まぁ……はい」
「これはね、摩るだけで煙がブワーっと現れて自分の分身が出来るのですよ。自分が2人いたら便利でしょ? 分身に働かせたら遊んで暮らせるよ。でも、3人目は出ないからね」
なんとも抽象的な露天商の営業トークであったが、この人も困っているのだろうと、つい購入してしまった。
信じてはいなかったが路地裏の片隅で静かにランプを摩ってみた。何も出ない。
やはり騙されたか……。
ミステリー・推理
公開:21/04/18 00:03
多くは語らぬ世の情け、見て感じ取り、考えよ!
次世代喜劇の執筆家、恋するメンチはカツの味!
恋メン劇場いざ、開演!!
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