腹コブラクダ　～背に腹はかえられぬ～

腹コブラクダにはヒト腹ラクダとフタ腹ラクダがある。
ヒトコブラクダやフタコブラクダと同様、腹コブラクダのコブの中身は脂肪である。これによって厳しい気候の砂漠にあっても、長期生存が可能なことは一般のラクダと同様である。
と思ったら、コブ無しラクダに内臓脂肪が溜まったのが、腹コブラクダであることがわかった。コブ無しラクダの中年太りバージョンである。
確かに三段腹の腹コブラクダが発見された時は、新種か亜種か議論になったが、そんな議論は無駄だったわけだ。
つまり腹コブラクダはコブ無しラクダと同様、砂漠での滞在に耐えない、ただの役立たずの種だったのだ。
しかし腹コブラクダは多数の野生個体が発見され、繁殖力も高いため既に家畜化が進められていた。
家畜化された腹コブラクダは、ぐうたらするだけで何の役にも立たず、飯だけは大量に食うのだ。

『背に腹はかえられぬ』の意味を人々は知ることになったのだった。