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その町の中心には、一本の木があった。
その木が枯れたのが、はじまりだった。
あらゆる植物が生気を失い、土はヘドロの様にぬかるんだ。
生き物は姿も消し、鳥の囀りも聞こえなくなった。
空は鈍色の雲が覆い、冷たい雨が街をたたいた。
そこにひとりの男が、中心の木の元へやって来た。
次の日、中心の木は蘇り、活き活きと枝葉を伸ばしていた。
町中の植物は萌え、土は肥えだした。
鳥を始めとした生き物たちが戻り始め、命の気配があふれた。
鉛のような雲は取り払われ、慰撫するかのように光が町を照らした。
そこにまたひとりの男が現れ、中心の木へと向かった。
次の日、中心の木は再び死んだように枯れていた。
再び町から生気が消え、踏みしめる地面は淀んだ。
再び気配はなくなり、不自然な静寂が街を包んだ。
再び鈍い雲が訪れ、町をたたき始めた。
その町は、あるべき姿へと戻った。
その木が枯れたのが、はじまりだった。
あらゆる植物が生気を失い、土はヘドロの様にぬかるんだ。
生き物は姿も消し、鳥の囀りも聞こえなくなった。
空は鈍色の雲が覆い、冷たい雨が街をたたいた。
そこにひとりの男が、中心の木の元へやって来た。
次の日、中心の木は蘇り、活き活きと枝葉を伸ばしていた。
町中の植物は萌え、土は肥えだした。
鳥を始めとした生き物たちが戻り始め、命の気配があふれた。
鉛のような雲は取り払われ、慰撫するかのように光が町を照らした。
そこにまたひとりの男が現れ、中心の木へと向かった。
次の日、中心の木は再び死んだように枯れていた。
再び町から生気が消え、踏みしめる地面は淀んだ。
再び気配はなくなり、不自然な静寂が街を包んだ。
再び鈍い雲が訪れ、町をたたき始めた。
その町は、あるべき姿へと戻った。
ファンタジー
公開:21/04/14 22:08
更新:21/04/22 07:40
更新:21/04/22 07:40
楽園
自然
生物
まずは、こんにちは。
練馬区で活動中の、趣味の絵描きです。
小説・脚本なども執筆してます。
【番号なし】 用語・設定解説
【Ⅰ】 連載作品『WonDer BroS』 探偵と怪盗の対決が娯楽化した世界での物語。
【Ⅱ】 短編連作『Story Of Dri(P)Party』
【Ⅲ】 連載作品『根源悪の牧場』 戦争による差別と弾圧に支配された世界での物語。
【Ⅳ】 連載作品『ドライワンダーに遣う』
【001~】 短篇集『short TaleS』
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