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「あのー。コレ変なんですけど…」
私は今しがたおみくじを引いた社務所に戻ってきた。
大吉や凶が印字されているはずの紙には
白羽の矢の絵のみが描かれてあった。
若い巫女は連れの有無を確認した後、奥にいた年配の女性職員に声をかけた。
女性はこちらを一瞥し更に奥へ消えて行った。瞬間だがひどく緊張した表情を見た。
少しして宮司らしき男性が出てきた。「ご案内致します」
予想外の展開に戸惑った。「あちらで説明致しますので」と気迫に押されて付いていく事になった。
社務所を抜け本堂の裏側の扉の前。
宮司は扉を開け入るように促す。目が慣れず真っ暗で何も見えない。
「当社は日本で唯一、人の生き神を祀っています」背後から宮司の声。
ある言葉が引っかかった。
「人の生き神?い、今もですか?」
「はい。いや正確には今はいません。先週役目を全うされました」
静かに扉の鍵が閉まる音がした。
白羽の矢…そんな馬鹿な…
私は今しがたおみくじを引いた社務所に戻ってきた。
大吉や凶が印字されているはずの紙には
白羽の矢の絵のみが描かれてあった。
若い巫女は連れの有無を確認した後、奥にいた年配の女性職員に声をかけた。
女性はこちらを一瞥し更に奥へ消えて行った。瞬間だがひどく緊張した表情を見た。
少しして宮司らしき男性が出てきた。「ご案内致します」
予想外の展開に戸惑った。「あちらで説明致しますので」と気迫に押されて付いていく事になった。
社務所を抜け本堂の裏側の扉の前。
宮司は扉を開け入るように促す。目が慣れず真っ暗で何も見えない。
「当社は日本で唯一、人の生き神を祀っています」背後から宮司の声。
ある言葉が引っかかった。
「人の生き神?い、今もですか?」
「はい。いや正確には今はいません。先週役目を全うされました」
静かに扉の鍵が閉まる音がした。
白羽の矢…そんな馬鹿な…
ホラー
公開:21/04/16 14:16
まずは自分が楽しむこと。
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