306. ちくわ部

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僕は無類のちくわ好きだ。
お食い初めでちくわだけ完食したのをはじめ、食卓にちくわが出てこない日には泣きじゃくり、学校給食でちくわが出てくる日には多少熱があっても登校して食べた。
隣のクラスの桜ちゃんを見るときは特製のちくわ望遠鏡で覗き、運動会のリレーではバトンをちくわのデザインにしようと提案し、天婦羅風、磯辺揚げ風等のデザインを施し大会を盛り上げた。優勝したチームをちくわ砲で祝い、ちくわを模したメダルを選手の首にかけた。
そんな僕が目指した高校はちくわ部で有名な名門校だ。
無事に合格を果たし、いよいよちくわ部の扉を叩くときがやって来た。
ドキドキしているとガラッとドアが開き、中から先輩たちが出てきた。
早速挨拶しようと思ったが、皆真っ白な胴着を纏いギザギザのついた白い筒状のものを手に持っている。
これは……!?
もう一度改めて部室の札を確認するとそこには
『ちくわぶ部』と書かれていた──。
青春
公開:21/04/13 14:17
更新:21/04/13 22:31
蒲鉾の桜祭り

ことのは もも。( 日本 関西 )

日本語が好き♡
18歳の頃から時々文章を書いています。
短い物語が好きです。
どれかひとつでも誰かの心に届きます様に☆
感想はいつでもお待ちしています!
宜しくお願い致します。

こちらでは2018年5月から書き始めて、2020年11月の時点で300作になりました。
これからもゆっくりですが、コツコツと書いていこうと思います(*^^*)

2019年 プチコン新生活優秀賞受賞
2020年 DJ MARUKOME読めるカレー大賞特別賞受賞
2021年 ベルモニー縁コンテスト 入選

カントー地方在住
 

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