大体望遠鏡

そろそろ独立して、起業を考える僕に親友が大体望遠鏡を覗いてみるよう勧めてきた。
「そいつはお前が起業した場合どうなるか、大体の未来を見せてくれる」
望遠鏡を覗いてみた。会社は倒産し、僕は借金取りに追われる日々を送っていた。
どうやら今はまだ起業する時ではないようだ。もう少し今の会社で頑張ろう。

数年後、再び大体望遠鏡を覗いてみる。
う～ん…会社は一応、大丈夫そうだけど…もう少し詳細を知りたいな…
「なら、詳細顕微鏡を使うといい。コイツを使えば細かい未来も見えるぞ」
それはいい！これで独立が成功するかどうか、細かいところまで見ていこう！
おお！社長の僕の横に副社長でお前がいるぞ！なんだ、お前俺の会社に来てくれるのかよ。頼りにしているぜ、相棒！
それに僕、結婚しているじゃないか！相手は…
「相手は俺の妹だろ」
親友は大体望遠鏡を覗きながら言った。
「そうなるんじゃないかと大体予想していた」