だから言ったのに

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「女王陛下!そのような薄着で外を出られては危険です!」
護衛の兵士が私に駆け寄ってくる。
「大丈夫よ。このドレスが私を守ってくれるから」
ゆったりとしたドレスの両端を抓み、兵士に向けて恭しく頭を下げてみた。
「それは失礼いたしました!」
兵士が持ち場へと戻っていく。女王陛下ともなればちょっとした散歩でも大騒ぎだ。

一人で公園を歩いているマスク姿の男にナイフを突きつけられた。
「悪いがアンタを誘拐させてもらう」
「あら?でもそれは無理よ」
こんな事は日常茶飯事。だから特に驚かない。
「バカにするな!」
男がナイフを振り上げる。それを私のドレスが弾き飛ばした。
柔よく剛を制すとはよく言ったものだ。私のドレスは男を叩きのめしていく。
「だから言ったのに、残念ね。このドレスは騎士を意味するナイトドレス。こう見えて私、騎士に守られているの」
私が説明している間にナイトドレスは男を縛り上げていた。
公開:21/04/12 19:32
knight(騎士) night(夜)

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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