骨董屋
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「ラヂオという物だそうだよ」
骨董屋の店主は別の商品の修理をしながらそう言った。
「音が出ているけれど、何に使う機械なんです?」
「さぁ、知らないね。僕は歴史学の先生じゃあないんでね」
店内の棚やショーケースには、緑や茶褐色に錆びた機械が一定の幅で綺麗に並んでいる。学の無い私にも、これらが大戦よりも古い機械だという事が見て取れた。
「すごい数ですね、どこから集めたんですか?」
「海だよ。集めるためにずいぶん長い間潜っていたものだから、僕の体にまで錆が出来てしまうかと思ったよ」
「あの、質問しても良いですか」
「あんたさっきから質問が多いね。僕も気になっていた事があるんだけど、聞いて良いかな」
すみません、と私は軽く頭を下げた。
「その足、引きずってここまで来たようだけど故障かい?」
「あぁ、気が付かなかった」
私は緩んでいた脚部のボルトを強く締め直した。
骨董屋の店主は別の商品の修理をしながらそう言った。
「音が出ているけれど、何に使う機械なんです?」
「さぁ、知らないね。僕は歴史学の先生じゃあないんでね」
店内の棚やショーケースには、緑や茶褐色に錆びた機械が一定の幅で綺麗に並んでいる。学の無い私にも、これらが大戦よりも古い機械だという事が見て取れた。
「すごい数ですね、どこから集めたんですか?」
「海だよ。集めるためにずいぶん長い間潜っていたものだから、僕の体にまで錆が出来てしまうかと思ったよ」
「あの、質問しても良いですか」
「あんたさっきから質問が多いね。僕も気になっていた事があるんだけど、聞いて良いかな」
すみません、と私は軽く頭を下げた。
「その足、引きずってここまで来たようだけど故障かい?」
「あぁ、気が付かなかった」
私は緩んでいた脚部のボルトを強く締め直した。
SF
公開:21/04/14 15:16
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