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桜が舞い散る様は美しかった。
しかし、いつまでたっても終わらなかった。
桜の花弁は次々と降り積もり、1メートルにも達しただろうか。
それでも止まない桜の吹雪は美しくもあり恐ろしくもあった。

櫻子に見せたかったな、と亡き妻に思いを馳せながら私は立ち尽くしていた。
と、突然一陣の強風が巻き起こり、花びらは天に向かって一斉に舞い上がった。
そして、その一角に桜人形のように一人の女の着物姿が形作られた。

…櫻子…

思わず声に出かかったが、あまりの驚きに息を飲んだため、その名前は発せられなかった。
桜人形は、ふっと笑ったように見えた。
そして花びらとして渦を巻きながら天に昇って行った。

私は、櫻子が会いに来てくれたことを理解した。

気がつくと私は泣いていた。空は櫻でいっぱいだった。
ファンタジー
公開:21/04/09 12:06
更新:21/04/09 14:11

わんにゃん( 大阪・京都 たまに東京 )

人生3度目の小説への挑戦です。最初は中高生の時でした。

R2.8.29 初めての利用から数日ですが、コメントされる喜びとコメントする楽しさが分ってきました。こじんまりとしたSNSみたいでいい雰囲気ですね。

フォロー返しは必ずします。コメント返しもします。

【入院】10.29(木)から心臓冠動脈バイパス術で入院します。術日は11.2(月です。
【手術】成功しました。皆様からの応援の賜物と厚く感謝申し上げます。心臓ICUから通信許可出ましたv
【退院】11.14(土)退院。応援有難うございます。ご心配おかけしました。
【他サイト】エブリスタhttps://estar.jp/users/581438913

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