経読鳥(きょうよみどり)

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お釈迦さまを慕う
一羽の鳥がいました。
お釈迦さまのお経の数は、
約8万4千、鳥は一生懸命
覚えました。

その昔、聖徳太子が解説書を書き
最澄、日蓮、道元、白隠など
高名な僧侶も等しく影響を受けた
ありがたい教えでした。

鳥は、ただお釈迦様に
褒めて貰いたくて
日夜研鑽に励みました。

そして春、鳥は美しい言葉を
発しました。

「ほ~法華経 ほ~法華経」

8万4千もの教えを覚えても
鳥はその一言しか言えません。
でも、とても満足でした。

「ホーホケキョ ホーホケキョ」

鶯(うぐいす)が経読鳥という
異名を持つのは、こんなところかも
しれません。

うぐいすの鳴くやちひさき口明けて  蕪村
ファンタジー
公開:21/04/08 22:02
更新:21/04/08 22:29

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