305. 居心地の良い地獄

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車道に飛び出した猫を助け轢死して、今ここにいる。
三途の川の船頭さんはずっとにこにことしていた。
無事対岸に着くと『心配することは何もないですよ』と手を振ってくれた。
さて、ここから運命が決まる。なるべくなら天国へ行ってみたいがそれも十王の意のまま。
名前を呼ばれ相違ないと答えた。
「貴方は来世何に生まれ変わりたいですか?」
私は即答した。
「出来るなら猫がいいです。これまで私には身寄りがなくずっと孤独でした。今度は猫になり人間に末永く可愛がられてみたい…です」
十王は笑って「勿論」と仰った。
係の者に案内され着いた先は地獄だった。
(なんで…)一瞬そう思ったが、目の前には信じられない光景が広がっていた。
猫だ。沢山の猫がそこで寛いだり働いたりしていた。
閻魔様はやれやれと立ち上がり、そこに私を座らせた。
「これからはあなたが人間どもを裁くのにゃ」

猫を助けた私に最高の褒美が与えられた。
ファンタジー
公開:21/04/08 16:50
更新:21/04/08 16:58

ことのは もも( 日本 )

日本語が好き♡
18歳の頃から時々文章を書いています。
短い物語が好きです。
どれかひとつでも誰かの心に届きます様に☆
感想はいつでもお待ちしています!
宜しくお願い致します。

こちらでは2018年5月から書き始めて、2020年11月の時点で300作になりました。
これからもゆっくりですが、コツコツと書いていこうと思います(*^^*)

2019年 新生活プチコン入賞
2020年 DJ MARUKOME読めるカレー大賞特別賞受賞
 

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