蒲鉾組合の桜見

日頃蒲鉾の製造・販売に励んでいる皆さんの蒲鉾組合で、桜見に行くことになった。
時節柄密に座れないからと、各自ゴザ１畳と塗りの弁当箱を持参で公園に集まった。弁当箱を開けると、チラシ寿司・和牛の煮付け・桜えび入りだし巻き・高菜巻・スライスチーズ・ハム・鮭フレークとか、所狭しと並んでいる。
三河屋さん、伊勢屋さん、浪速屋さん、皆さんも見事な弁当をお持ですね。
誰一人商売の蒲鉾を入れている者がいないのが不思議だね。
組合長は、てやんで日頃蒲鉾に追い回されているのに、折角の桜見にそんなぶさいな物持ってくる分けねいじゃないかと嘯いていた。
越後屋さんの弁当箱は分厚いね、さぞやいっぱい良いものがと覗き込んだが、余り入っていない。おかしいな？ひょっとしてそれ二重底ではないかと、無理やり開けさせると下の段からぎっしり、小判ならず上等蒲鉾が綺麗に並んでいるではないか。
越後屋お前も悪じゃのう。チャンチャン！