0
3
「ようやく来たか」
美術館に入った我々を王立警察のデニシュ・ブレドが出迎えた。
今回の盗縛劇に関連した事件で出会い、その流れで警備協力担当となってもらった。
「よろしく。デニさん」
「わん」
「呑気だな。予告までもう90分を切ってるぞ」
「当日の現地入りはこれぐらいでいいのさ。滞在が長いと、どうしても緊張感が緩む瞬間ができるし、行動も読まれやすくなる。舞台の規模に応じて、状況と人員を確認するのに充分な時間だけあればいいのさ」
「なるほど。三本腕の教えか」
三本腕とはもちろん、我々の師匠のことだ。ただ、弟子としてはこの呼ばれ方はあまりいい気分ではないな。
「警備の方は?」
「打ち合わせ通りの配置だ。15分前に確認した時も変わりなし。…しかし、本当に今日あるのか?」
嘆息するデニさん。
無理もない。
盗縛劇があるにも関わらず、美術館は通常営業で、ちらほらと御客の姿もあったのだ。
美術館に入った我々を王立警察のデニシュ・ブレドが出迎えた。
今回の盗縛劇に関連した事件で出会い、その流れで警備協力担当となってもらった。
「よろしく。デニさん」
「わん」
「呑気だな。予告までもう90分を切ってるぞ」
「当日の現地入りはこれぐらいでいいのさ。滞在が長いと、どうしても緊張感が緩む瞬間ができるし、行動も読まれやすくなる。舞台の規模に応じて、状況と人員を確認するのに充分な時間だけあればいいのさ」
「なるほど。三本腕の教えか」
三本腕とはもちろん、我々の師匠のことだ。ただ、弟子としてはこの呼ばれ方はあまりいい気分ではないな。
「警備の方は?」
「打ち合わせ通りの配置だ。15分前に確認した時も変わりなし。…しかし、本当に今日あるのか?」
嘆息するデニさん。
無理もない。
盗縛劇があるにも関わらず、美術館は通常営業で、ちらほらと御客の姿もあったのだ。
ファンタジー
公開:21/04/09 19:51
ファンタジー
連載
怪盗
探偵
犬
美術館
まずは、こんにちは。
練馬区で活動中の、趣味の絵描きです。
小説・脚本なども執筆してます。
【番号なし】 用語・設定解説
【Ⅰ】 連載作品『WonDer BroS』 探偵と怪盗の対決が娯楽化した世界での物語。
【Ⅱ】 短編連作『Story Of Dri(P)Party』
【Ⅲ】 連載作品『根源悪の牧場』 戦争による差別と弾圧に支配された世界での物語。
【Ⅳ】 連載作品『ドライワンダーに遣う』
【001~】 短篇集『short TaleS』
コメントはありません
ログインするとコメントを投稿できます