Ⅰ.044 ペルビエの攻防~応答~

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「取材かい?まだ話せるような事はないけど」
「すいません。事前に何か一言もらおうと思いまして。あと終劇後の取材の確約も」
「俺の?」
「そうです」
 記者の取材を受けるのは、老舗・養成所問わず確かな実績ではあるが、主人はどうも引っかかっていた。
「なぜまだ素人半分な俺に?練習台か何かか?」
 卑屈な言い方をする主人。試してるのが、少し見え透いてないか?
「僕は本番でここに来ています。それに、ルペワフルは素人半分な探偵に盗縛劇をさせないはずでは?」
 主人の気配が変わった。
「そうだな。今のはオフレコで。結果がどうあろうと、取材を受ける事を約束しよう」
「ありがとうございます。では、一言の方も」
「怪盗に対してか」
「よろしければ」
「やるなら真面目にやれ」
「え?」
「行くぞニール」
 思えば、主人の迂闊さはここからだった。
 あの言葉も、彼があの記事に至る布石となったに違いない。
ファンタジー
公開:21/04/09 19:30
ファンタジー 連載 怪盗 探偵 記者

Arujino( 東京都練馬区 )

まずは、こんにちは。

練馬区で活動中の、趣味の絵描きです。

小説・脚本なども執筆してます。

【番号なし】 用語・設定解説

【Ⅰ】 連載作品『WonDer BroS』 探偵と怪盗の対決が娯楽化した世界での物語。

【Ⅱ】 短編連作『Story Of Dri(P)Party』

【Ⅲ】 連載作品『根源悪の牧場』 戦争による差別と弾圧に支配された世界での物語。

【Ⅳ】 連載作品『ドライワンダーに遣う』

【001~】 短篇集『short TaleS』
 

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