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春月11巡りの七日目 ~キュフェナ区王立美術館前にて~
主人とわたしが美術館前広場の王像を横切った際、小気味いい金属音が聞こえてきた。
「あの」
振り替えると、驢亜種の少年が立っていた。両足には金属製の装具を付けている。
「君は?」
「記者のトト・クラカといいます」
「こんにちは、トト。セディ・スフレだ」
「取材。よろしいでしょうか?」
意外な申し出だった。新米探偵の我々に直撃取材が来るとは。
「構わないけど…」
そこで主人はわたしに視線を移した。
すぐ済ますさ、主人。
わたしは、記者の周りをゆっくりと回りながら、情報を集めた。
驢亜種特有の渋い黄緑を帯びた紐状の粒子。それを包むように漂う意欲的な緊張と若干の不安。少なくとも彼は、自分の意志で我々の元に来たようだ。
「あの。今のは?」
「悪いな。相棒の挨拶なんだ」
「よ、よろしく」
「わん」
よろしくお願いする、トト。
主人とわたしが美術館前広場の王像を横切った際、小気味いい金属音が聞こえてきた。
「あの」
振り替えると、驢亜種の少年が立っていた。両足には金属製の装具を付けている。
「君は?」
「記者のトト・クラカといいます」
「こんにちは、トト。セディ・スフレだ」
「取材。よろしいでしょうか?」
意外な申し出だった。新米探偵の我々に直撃取材が来るとは。
「構わないけど…」
そこで主人はわたしに視線を移した。
すぐ済ますさ、主人。
わたしは、記者の周りをゆっくりと回りながら、情報を集めた。
驢亜種特有の渋い黄緑を帯びた紐状の粒子。それを包むように漂う意欲的な緊張と若干の不安。少なくとも彼は、自分の意志で我々の元に来たようだ。
「あの。今のは?」
「悪いな。相棒の挨拶なんだ」
「よ、よろしく」
「わん」
よろしくお願いする、トト。
ファンタジー
公開:21/04/09 19:09
更新:21/04/09 19:31
更新:21/04/09 19:31
連載
探偵
怪盗
ファンタジー
犬
記者
まずは、こんにちは。
練馬区で活動中の、趣味の絵描きです。
小説・脚本なども執筆してます。
【番号なし】 用語・設定解説
【Ⅰ】 連載作品『WonDer BroS』 探偵と怪盗の対決が娯楽化した世界での物語。
【Ⅱ】 短編連作『Story Of Dri(P)Party』
【Ⅲ】 連載作品『根源悪の牧場』 戦争による差別と弾圧に支配された世界での物語。
【Ⅳ】 連載作品『ドライワンダーに遣う』
【001~】 短篇集『short TaleS』
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