無機固形タイプの宵

「無機固形じゃなくて有機タイプにするべきだった」宴会ロボットＱは廃棄物の山に寝そべって今夜の失態を振り返った。「重要な接待の宴会。仲居に興奮剤を頼んだら、これがオススメ、と無機固形タイプ。液体はと聞くと仲居は今はこれが流りと言う。慣れない興奮剤が原因か」宴もたけなわ、宴会ロボットの出番だ。Ｑは気合を入れて音楽を鳴らし大広間に出て踊る。そしてバニーガールやパンダに変身して踊る。変身はＱの得意技。あらゆる人間、動物に変身できる。主賓席には太った紳士、社長だ。Ｑは得意先の社長に姿を変えて踊り始めた。一同に大受け。調子に乗った社長姿のＱはシャツまで脱いで太鼓腹を出して裸踊りをはじめた。皆は静かになった。社長の裸踊りが真に迫っていたのか。社長が憮然として席を立つのに時間はかからなかった。
「どうして社長は怒って帰ったのだろう。得意な宴会芸、裸踊りのおかげで社長にまでなったと調べておいたのだけど」