神木のまな板

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骨董市で買った榧の木の分厚いまな板の側面に、神社名の焼印があった。
気にはなり調べると、平安時代建立で祭神は天照大御神とある。春の桜も一品との事で、訪ねて見ることにした。

住所をカーナビに入れ走ること二時間、脇道に入り農道を通り砂利道を登ってやっと到着した。
道の脇には昔は畑であったと思われる空き地があり、駐車スペースもあった。
停めると小太りの茶猫と子猫が寄って来て、停めた車の下に潜ってしまった。
多分エンジンの暖かみを知っているのか、帰る時には気を付けなければ。

参拝を終え見事な桜を堪能したがその間、訪問者は誰もおらず社務所にも人影は無い。
裏側に回れば、何とまな板を作る材料だったと思われる榧の木の分厚い長い板が山積みにされたままだ。

あの神木の榧で作られたまな板を使うようになり不思議に、家人の料理が美味くなり御利益があったと感謝したが、もう作られていないのが残念に思われた。
ファンタジー
公開:21/04/04 06:24

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