筋肉記憶法

ここは、とある男子校。
「受験生の諸君！暗記は苦手か？だったら今日はとっておきのトレーニングを教えてやろう！」
体育の先生は突然上半身を脱いだ。
見事に鍛え上げられた肉体だ。
「よく見ろ！ここが右大胸筋だ！今からここに記憶を定着させる！大化の改新645年！」
先生の右大胸筋がビクンビクンと動いた。
「大切なのは反復運動だ！大化の改新645年！」
先生は復唱しながら右大胸筋を動かす。
「次、左大胸筋いくぞ！」
先生の話によれば人体には大小含めて600以上の筋肉が存在する。
したがって全ての筋肉を動員すれば一夜漬けも可能であるとのことだ。

翌日、歴史のテストが行われた。
試験開始と同時に生徒達は一斉に上着を脱いだ。
三角筋、上腕三頭筋、腹直筋、外腹斜筋、眼輪筋…全身の筋肉が大活躍である。
その日、驚くべきことに生徒全員が９割以上の正答率を叩き出した。
ただし、記述問題は全滅だったそうである。