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彼女にフラれた翌日、傷心の俺は親友に連れられよく当たると噂の占い師の店に連れてこられた。
「こいつ、昨日彼女にフラれたんですよ。次の彼女って言うか、運命の相手を占ってやってくれませんか?」
親友の尻を思いっきり蹴ってやった。余計な事を言うな!
「分かりました。では、まず手相から見てみましょう」
占い師は俺の手を取るとジーっと見つめる。
「…あれ?おかしいな…何も見えない…」
困惑した占い師の声。俺まで不安になって来る。
占い師はヴェールをめくり、俺の手に顔を近づける。
「好きな人の手相じゃなかったら分かるはずなんだけどなぁ…」
その人は俺の隣の部屋に住んでいる女性だった。
目が合い、あっ…と声が重なる。
「あの…えっと…あ、貴方は今日、凄く素敵な女性と出会います!その女性は貴方を幸せにしてくれると思います!」
その姿を俺は愛おしく感じた。だから占い師にこう告げた。
「俺と付き合って下さい」
公開:21/04/03 20:41

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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