卵の中身は?(ママは魔法使い番外編)
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シュナは洋菓子店シナンディシの人気商品『妖精のたまご』という名のチョコレートを膝の上に乗せたまま、ため息をついた。ゼダからこのチョコレートをバレンタインデーのお返しとして貰った時に有頂天になった自分を恥ずかしく思った。手作りチョコレートをレイカに渡す所を見なければ、今日はきっと素晴らしいものだったはずだ。また一つため息が漏れた。
「食べないのか。そのチョコレート」
「レクス。なんの用よ」
レクスがどかりと隣に座る。
「早く食べないと腐るぞ」
「呪いじゃないんだから、腐らないわよ」
「呪いも魔法も似たようなもんだろ」
シュナは綺麗な包装紙を少し乱暴に開けた。
「ハズレなんかないから食べろよ」
「うん」
うずらの卵みたいなチョコレートをかじると唇に滑らかな薔薇の花びらが溶けた。
「腐ってなくて良かったな」
「食べる?」
「いや」
レクスはシュナの薔薇色の唇を見てそっぽを向いた。
「食べないのか。そのチョコレート」
「レクス。なんの用よ」
レクスがどかりと隣に座る。
「早く食べないと腐るぞ」
「呪いじゃないんだから、腐らないわよ」
「呪いも魔法も似たようなもんだろ」
シュナは綺麗な包装紙を少し乱暴に開けた。
「ハズレなんかないから食べろよ」
「うん」
うずらの卵みたいなチョコレートをかじると唇に滑らかな薔薇の花びらが溶けた。
「腐ってなくて良かったな」
「食べる?」
「いや」
レクスはシュナの薔薇色の唇を見てそっぽを向いた。
ファンタジー
公開:21/04/06 00:44
ママは魔法使い
ゼダ&レイカ
シュナ&レクス
番外編
射谷 友里(いてや ゆり)と申します
十年以上前に赤川仁洋さん運営のWeb総合文芸誌「文華」に同名で投稿していました。もう一度小説を書くことに挑戦したくなりこちらで修行中です。感想頂けると嬉しいです。宜しくお願いします。
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