好敵手

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ふんっ!幾らでも言うけれどあいつは俺にべた惚れなんだからな?「彼は私の恋人なんだからね!」

「ただいま」あいつが、小娘と威嚇し合っていた真っ白の俺を胸にいだく。俺はおでこをすり寄せる。「みゃーぅ」今日も俺の勝ちだな。
何だ、この甘い匂い…にゃ?何だかあいつ、鼓動が速くなったな。
「これ。お誕生日おめでとう。好きだって言ってたお店のケーキ、一緒に食べよう?」「ありがとう」
にゃにゃにゃんだよ!?二人して見つめ合ってこの甘々は!
「みゃーぅ?」俺にもケーキひとくちくれな?「あっ!駄目だろう!今度君用も買ってくるからね」そんにゃっ!?「ふふんっ」!勝ち誇った顔をするにゃんて。突如現れた小娘の分際でっ。「しゅぃー!」にゃぱっと踏ん張ると、にこげが開くのを感じた。

…でも、まぁ。あいつがよい表情だから引き分けにしてあげ、たかったのだが。
ケーキを食べている間もあいつの胸は“俺一色”にゃんだよな。
その他
公開:21/04/06 00:36
更新:21/04/06 00:36
月の音色 月の文学館 月の文学館新人賞 「だから言ったのに」

真月。

ご覧いただき ありがとうございます。
よろしかったら読んでみてください。
作品の絵も自身で描いております。

コメントや☆など とてもありがたく思っております。ありがとうございます。
のほんとしたお話や癒しとなっていただけるようなお話を描けたらと思っております。

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