虹クーヘン

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「虹ってバウムクーヘンみたいでしょ?」
「そうだね」
私は子供の発言を笑って受け流した。 
「あのおじちゃんが、これ焼いたらバウムクーヘンみたいになるんだって。厚みがでるんだって。ふっくらするんだって」
「そうなんだね」
「ね?ほら」
子供は捕まえたという虹らしきものを私に見せてくれた。捕まえた虹をオーブンで焼いてとせがまれ、私はそれをオーブンで焼いてみた。するとどうだろう。体積が増して形状がバウムクーヘンの欠片とそっくりだ。
「これがあのおじちゃんが言ってた【虹クーヘン】っていうんだって!」
「これって本当に、虹の焼き菓子なんだろうか?」
甘い香りがするそれを、口の中へ運んだ。
私は子供と2人で、窓から雨上がりの空を見上げた。
ファンタジー
公開:21/04/05 23:20
更新:21/05/09 21:48
rainbow バウムクーヘン バームクーヘン 日常 不思議 ファンタジー 童話

前虎( https://mobile.twitter.com/mae10ra )

はじめまして。
前虎と申します。
作品を読んでいただけたら嬉しいです!
よろしくお願い致します。
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