だから言ったのに

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息子宛てに大きな荷物が届いた。品名を確認する。中身は…トロフィーと賞状?
「ああ、海洋文学賞の大賞トロフィーと賞状だよ」
にべもなく答える息子。荷物を開ける事なく部屋の隅へと置いた。
『開けなくていいの?』
「ただのトロフィーと賞状だろ?見てもつまんないし、開ける必要ないよ」
『でも念の為、確認したほうが…』
「開けないって言ってるだろ!ほっとけよ!」
息子を怒らせてしまった。私は息子の部屋から逃げるように立ち去った。

数か月後
「母さん、部屋の荷物から異臭がするんだけど…」
息子に言われ見たそれは海洋文学賞のトロフィーと賞状の入った箱だった。
恐る恐る中を開けてみると、そこには痛んだ”大トロ”フィーと賞じょう油が入っていた。
改めて荷物の伝票を確認する。『ナマモノ』とも、しっかり記載されていた。
「うわぁ!これどうしよう?どうしたらいい?」
焦る息子にため息が出た。
だから言ったのに…
公開:21/04/05 19:00

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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