キーを叩く

動けない？
まあそういうこともあるんじゃない。

全力で走った後は、まともに息をすることだって難しくなる。
そういうものだよ。

慌てないことだ。
焦っても結果は出ない。

どのみち進むほかはないんだ。この道の先がどこにも繋がっていないのだとしても、君はそれを自分の目で確かめないことには、いつまで経っても納得なんてしないのだから。

素敵なものを見つけるたび自分に幻滅するのは止せよ。
自分で作るものに価値があるとか無いとか、そうじゃないだろ？

子供たちを見てみな。彼らは可能性のために動くのじゃない。ただぶつかっていくんだ。そこには意味なんかないし、理由もない。あるのは衝動だけだ。純粋で、無垢で、非可換な力。

見せてくれよ。
この先に何があるか、何もないのか。

希望は君の行く末ではなく、歩き続けるという行為の中にある。


僕は毛布から抜け出し、机へと向かった。
もう一度キーを叩く。