天下一葡萄会

白いリングの上にいるのは、鮮やかな紫色の巨峰。

対するは、透き通るような緑色のシャインマスカット。

冷蔵庫、棚、籠。様々な場所からハラハラと行く末を見守る観客達。

人間の少女が手を伸ばしたことで、戦いの火蓋は切って落とされた。

「うわ、巨峰すごい味が濃い！甘くて美味しい！！」

おっと、これは巨峰が優勢か！？様々なジュースやお菓子の味として表現されている分、親しみやすさもあることが武器になっている！

しかしそれでは終わらない。少女の手がシャインマスカットを取る。

「こっちはさっぱりしてて美味しい〜！」

巨峰とは違う爽やかさで巨峰を突き放す！また値段が高いということが、少女の食欲を掻き立てている！！

一進一退の攻防。食べ尽くされボロボロの葡萄達。

少女の判定は…！？

「ママ〜美味しいかったよ〜！」
「どっちが美味しかった？」
「んーとね…」

「いちごがやっぱ好き！！」