子ども市場

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子どもたちを売買する市場がある。だいたい七、八歳から十五、六歳までの子どもが取引される。子どもたちは子ども工場で製造されてくる。工場では安定的生産のため注文以上の見込み生産を行うが、その結果、余剰の子どもが生じる。彼らは工場内の子ども学校で教育訓練を受け、高い値段で売れるように付加価値をつけるのである。ある子どもは体力を鍛え、またある子どもは勉学や音楽などに励む。愛嬌のある性格を磨く子どももいる。売り物になると判断された子どもたちが市場で売買される。肉体労働の子ども、コンピュータが得意な子ども、異性に好かれる子どもなどそれぞれの「売り」をPRして市場は賑やかである。子ども市場の客も子どもである。子ども社長など子ども富裕層が仕事や愛玩の子どもを買いに来る。
市場で売れ残った子どもたちはどうなるかって?彼らは子ども学校に戻される。今度は子ども先生となって後進の子どもたちを教育訓練するのである。
その他
公開:21/04/02 10:29

たちばな( 東京 )

2020年2月24日から参加しています。
タイトル画像では自作のペインティング、ドローイング、コラージュなどをみていただいています。
よろしくお願いします。

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