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『キャー!!』
影の存在に気づいた二人。
「まずい。二人とも逃げろ!」
二人を守るように、影の前に立ちはだかるハック。
「でも、それじゃあ…」
「そうよ。ハックが!」
「大丈夫だから、俺を信じろ」
「また会える?」
「そうよね!?」
「当たり前だ!俺を信じろ!」
「約束よ!」
「信じるからね!」
壁の穴と格子の隙間から部屋を出る二人の女の子。
一人残ったハックに、ふたつの影が迫る。
しかし、ハックはそれほど抵抗を見せずに影に囚われ、首に何かを打たれ倒れる。
周囲の情景が一変する。
黄昏色だった部屋は、無機質で生気を感じない灰色の病室となり、ネズミが出入りしそうな小さな穴が空いた壁には、無数の引っ掻き傷が。ひとつだけある窓に付いた格子には血の手形が残っていた。そして、2つの影だったものは制服姿の看守であり、その足元で倒れるハックの手は血で滲み、歪んだスプーンが握られていた。
影の存在に気づいた二人。
「まずい。二人とも逃げろ!」
二人を守るように、影の前に立ちはだかるハック。
「でも、それじゃあ…」
「そうよ。ハックが!」
「大丈夫だから、俺を信じろ」
「また会える?」
「そうよね!?」
「当たり前だ!俺を信じろ!」
「約束よ!」
「信じるからね!」
壁の穴と格子の隙間から部屋を出る二人の女の子。
一人残ったハックに、ふたつの影が迫る。
しかし、ハックはそれほど抵抗を見せずに影に囚われ、首に何かを打たれ倒れる。
周囲の情景が一変する。
黄昏色だった部屋は、無機質で生気を感じない灰色の病室となり、ネズミが出入りしそうな小さな穴が空いた壁には、無数の引っ掻き傷が。ひとつだけある窓に付いた格子には血の手形が残っていた。そして、2つの影だったものは制服姿の看守であり、その足元で倒れるハックの手は血で滲み、歪んだスプーンが握られていた。
SF
公開:21/04/02 08:50
SF
連載
弾圧
差別
虚構
夢
まずは、こんにちは。
練馬区で活動中の、趣味の絵描きです。
小説・脚本なども執筆してます。
【番号なし】 用語・設定解説
【Ⅰ】 連載作品『WonDer BroS』 探偵と怪盗の対決が娯楽化した世界での物語。
【Ⅱ】 短編連作『Story Of Dri(P)Party』
【Ⅲ】 連載作品『根源悪の牧場』 戦争による差別と弾圧に支配された世界での物語。
【Ⅳ】 連載作品『ドライワンダーに遣う』
【001~】 短篇集『short TaleS』
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