Ⅲ.序章 虚構ノ城 2/3

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「ああ…、おはよう。二人共」
「おはよう、ハック」
「身体は大丈夫?」
「平気だよ。ところで、今日はどうしたんだい?」
「何言ってるの。今日こそはここを出るわよ!」
 壁を削り始めるラフ姿の女の子。
「そうそう。グズグズしてらんないわ!」
 窓の格子を外そうとするゴスロリ姿の女の子。
「ちょっと!だからそんなやり方でうまくいくわけないでしょ」
「そっちこそ!そんなチマチマしたやり方で、今日中に出る気あんの?」
 言い争う二人。
「落ち着けよ二人とも。何でそんなに急いでるんだい?」
「何を言ってるのよハック!一刻も早くここを出たいでしょ!」
「出たい?俺が?」
「そうよ。会いに行きたい友達がいるんでしょ?」
「友達?」
「そう。友達。大親友なんでしょ」
「また、旅の話で盛り上がりたいって言ってたじゃない」
「俺が?友達…」
 そこへ、部屋の扉が開き、ふたつの黒い影が入ってきた。
SF
公開:21/04/02 08:44
SF 連載 差別 弾圧 虚構

Arujino( 東京都練馬区 )

まずは、こんにちは。

練馬区で活動中の、趣味の絵描きです。

小説・脚本なども執筆してます。

【番号なし】 用語・設定解説

【Ⅰ】 連載作品『WonDer BroS』 探偵と怪盗の対決が娯楽化した世界での物語。

【Ⅱ】 短編連作『Story Of Dri(P)Party』

【Ⅲ】 連載作品『根源悪の牧場』 戦争による差別と弾圧に支配された世界での物語。

【Ⅳ】 連載作品『ドライワンダーに遣う』

【001~】 短篇集『short TaleS』
 

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