運命の赤い糸

私には運命の赤い糸が見える。
この糸で結ばれた二人はいずれ結ばれる。
私は私の運命の赤い糸を辿った。
私の運命の赤い糸は近くのデパートに飾られている男の子のマネキンの指に括りつけられていた。
私…人形と結ばれるの？そんなのはごめんだ。
だから私は私の運命の赤い糸を解いて、男の子のマネキン横にいる女の子のマネキンの指に括りつけた。
「幸せにね」
そう言ったら、２体のマネキンの頬に朱が差したように見えた。
その笑顔が幸せそうなものに見えたのも、きっと見間違いではないだろう。