「新しい空想科学　1+√2ℹ︎年生」より「力のつり合い」抜粋　

　威圧計は、Y首相の補佐官を務めた物理学者・Zが、2XXX年の実験をもとに発明した。
　Zは、同じ政治家に仕える同僚十数人の阿諛係数を計測し、彼らの健康状態を、医学的に体系化した。これを繰り返したZは、50%の被威圧者が心身に支障をきたす威圧を500A (オーソリティー)と定めた。
　この定義を発展させて使われていた(※)のが、下図の威圧計である。端子は右から順に最大300A、15A、3Aを計測でき、計測対象を300Aの端子につないでも、あまり針がふれないほど小さい場合は、15Aの端子につなぎかえる。針が振り切れないように、大きな威圧を計ることができる端子から順につなぐ。 計測対象にかかっている威圧が何によるものかは、これだけでは分からない。
　また、同じ威圧者から継続的に威圧されている被威圧者は、実際受けているよりも過剰な威圧を示す(忖度)場合がある。
※W政権発足後に使用禁止となった。