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彼女が弓を引いている。
食事の時も、シャワーを浴びるときも、
眠るときですら弓を引いている。
おそらく海外旅行の最終日からだ。
浮かれたムードにそそのかされたのか、
こっちに帰って来ても、未だその手を放さない。
俺は時々、放したらどうだ?、と提案するが、
彼女は決して放さない。
これは俺にとってだけ、とっても都合が悪いのだ。
だが、彼女の弓を奪い取ることも、
壊してしまうことも、
俺がしていい権利なんてないのだ。
結局、彼女は弓を放った。
そのとき、病院中に響き渡るような大声が二つあがった。
食事の時も、シャワーを浴びるときも、
眠るときですら弓を引いている。
おそらく海外旅行の最終日からだ。
浮かれたムードにそそのかされたのか、
こっちに帰って来ても、未だその手を放さない。
俺は時々、放したらどうだ?、と提案するが、
彼女は決して放さない。
これは俺にとってだけ、とっても都合が悪いのだ。
だが、彼女の弓を奪い取ることも、
壊してしまうことも、
俺がしていい権利なんてないのだ。
結局、彼女は弓を放った。
そのとき、病院中に響き渡るような大声が二つあがった。
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公開:21/03/30 14:31
弓
弓矢
妊娠
彼女
まのじゅん/間野 純
神戸市在住の26歳
執筆は2020年春ごろから
お立ち寄りいただきありがとうございます
ふらりと交流できれば幸いです
▼NOVEL DAYS
https://novel.daysneo.com/author/j_mano37/
▼入選作品
・J-WAVE SPARK×NOVELDAYS ほっこりショートコンテスト第1弾「モノのつぶやき」
「子に捧ぐ祈り」
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