釈迦の鼻糞

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「ママの言うことを
聞かないと、釈迦の
鼻糞を食べさせるよ!」

偉人の爪の垢を煎じて
飲む感じのことを
サラリと言われた。

ママの言うことって
早寝早起き、宿題を
ちゃんとやるとか
そんなところなんだけど。
もう、とやかく言われる
歳でもない。

ところが、ママは
僕がふてくされている
間に、釈迦の鼻糞とやらを
用意し始めた。

いや、冗談だろ?
いくら偉人でも鼻糞は
やめろよ!

ところが、台所から
漂ってくる香りは
あられのような香ばしさだ。

トンと置かれたのは
正月の餅花を煎ったもの。

「これが鼻糞?」

「花供曽とも書くけど」

美味しそうな香りに
手を伸ばしてパクリ!

「~~~~~!!!」
途端に、口から火が出た!

「あら~当たり引いちゃったのね
うふふ~唐辛子を
まぶしておいたの!お仕置きよ!」

「くそ~」

国語の時間に「釈迦に説法」って
習ったなと思い出した。
その他
公開:21/03/29 17:08
更新:21/03/29 18:33

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