100年前のボールペン

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ボールペンは、1884年に始めてアメリカで発明された。僕の家は、曾祖父が買ったボールペンを先祖代々受け継いでいる。僕はこの古いボールペンが、なぜ受け継がれているのかと父に尋ねた。
「これはな。お前の曾お爺さんが曾お婆さんと出会った時のきっかけになった縁起が良いボールペンなんだ。このボールペンがあるおかげで、今の父さんもお前もいるんだ。とてもありがたい品なんだ。大切にして、いつかお前が結婚して子供ができた時も先祖代々受け継いでいって欲しい」
僕はどこに出かける時もお守り替わりに100年前のボールペンを持ち歩いた。しかしある日、事件が起こった。僕の鞄に穴が開いていて、ボールペンをどこかに落としてしまったのだ。
「あの…ボールペン。落としましたよ」
女性の声のする方へ振り向いた僕は、彼女を見たその瞬間、体全体に電流が流れた。この人は運命の人だとピンときた。僕もまたボールペンに導かれたのだった。
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公開:21/03/27 21:10
更新:21/03/27 21:12

富本アキユ( 日本 )

カクヨムにも小説を投稿してます。
Twitterは@book_Akiyu

・SSG投稿作品1500作品突破

・作詞を担当
https://youtu.be/OtczLkK6-8c

・葉月のりこ様YouTubeチャンネル『ショートショート朗読ボックス』~ショートショートガーデンより~の動画内で江頭楓様より『睡眠旅人』を朗読して頂きました。

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