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王国で占い師をやっている私は国王に問うた。
「王よ、何故私を重宝するのです?私の占いは当たる確率が精々30%。決して高くはありません。そんな私が専属占い師で宜しいのでしょうか?」
国王は笑った。
『いいに決まっている。3割も当たるのだぞ。野球の打者ならいい成績ではないか』
「野球ならそうかもしれませんが国を左右する占いですよ。本当に宜しいのですか?」
『お主は隣国の占い師の話を知っているか?』
「勿論です。百発百中の占いは予言とも言われています」
『そのせいで隣国の王は占い師のいいなりだ。儂は同じ王として恥ずかしい』
「ですが…」
『儂はな、国王として誰よりも傲慢であらなければならない。無論、未来を知る占い師よりもな。儂はお主の謙虚さが好きだ。それに偶に占いが当たった時はホームラン打ったみたく皆で喜びを分かち合えるだろ?確定した未来なんぞつまらんからな』
王の説明に私は改めて忠誠を誓った。
公開:21/03/27 19:41

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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