最後の唐揚げ - 謎解き 後編

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 Bは不可解そうな顔でAの方を向く。
「しかし一体誰がそんな手の込んだ事を・・・」
 その疑問にAはドヤ顔で「それは唐揚げの最も近くに居た奴、そうCだ!」と言って、Cの方を向いた。
 Cに皆の視線が集中する。そして遂にCは項垂れ、「そうだよ、俺がやったんだ」とCは遂に自白した。
「いつだって最後の一つが余るだろ? 時にはそれをジャンケンで勝った者が取る。俺はそんなくだらない事が嫌だったんだ」
「誰が食べたって良かったんだぞ。気にするなよ」とBがCの事をフォローする。
すかさずDが「そうだよ、高々居酒屋の唐揚げじゃないか」と言う。
 しかしAは違った。
「分かっているな? 勘定する時、お前が皆より多く払えよ」
 Dは黙って小さくうなずいた。
 Dを見て、Aは満足そうに微笑んだ。そして大きく手をあげ「すいません、唐揚げもう一つ」と注文した。
 そんな無神経なAにBとDは冷めたい目を向けた。
ミステリー・推理
公開:21/03/28 15:23
最後の唐揚げ 同期との飲み会 遠慮の塊

Azuki Smith( 横浜 )

写真撮影が趣味で、英国文学をはじめとした外国文学が好きな会社員
旅が好きでヨーロッパとアジアを中心に多く国を旅している
また、イギリスに住んでいたこともあり、英国文学に多くの影響を受けている
喋れる言語は日本語 (ネイティブ) > 英語 (アカデミック) >>...>> ドイツ語 (何とか旅が出来るレベル)

投稿内容はその他(主に紀行文)、青春、ホラー、ごく稀に恋愛(でも悲しい物語)

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