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私は満開の桜より
潔く散り、大地に散乱した
桜蘂(さくらしべ)を
見るのが好きだ。
蘂に残された
花弁の一片を手に取ると、
花見客の残した記憶が
映し出される。
花曇りの桜の木の下で
二人は静かに立っていた。
遠くで踏切の音が聞こえてくる。
子供が春の歌を歌う。
紋白蝶が、微かに呟く。
ただそれだけの
記憶だった。
私は、そっと蘂を地面に戻し
両手を上げると深呼吸をした。
潔く散り、大地に散乱した
桜蘂(さくらしべ)を
見るのが好きだ。
蘂に残された
花弁の一片を手に取ると、
花見客の残した記憶が
映し出される。
花曇りの桜の木の下で
二人は静かに立っていた。
遠くで踏切の音が聞こえてくる。
子供が春の歌を歌う。
紋白蝶が、微かに呟く。
ただそれだけの
記憶だった。
私は、そっと蘂を地面に戻し
両手を上げると深呼吸をした。
その他
公開:21/03/28 13:22
時の栞・翡翠工房(かわせみこうぼう)
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趣味は 俳句、写真、イラスト作成
ヘッダー画像は自分で撮っています
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